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端午の節句の飾り物には男の子の健康と強くたくましく成長して出世を願う気持ちがこめられています。

【金太郎 】

源頼光の四天王の一人で実在の人物であるといわれる坂田公時(さかたのきんとき)の幼名 足柄山の山姥(やまんば)が神に子授けの願をかけているときに雷鳴がとどろき、赤竜が現れてみごもったといわれて、山姥は生れた子を金太郎と名づけました。  金太郎は熊を友として育ち、怪力でやさしい心の持ち主で、21歳のときに源頼光によって見出され都に上りました。のちに大江山の酒呑童子を退治して功をあげたといわれて功なり名を遂げる出世の縁起物です。

【桃太郎】

桃から生れた桃太郎が犬、猿、雉を供として鬼が島の鬼退治に出かけ、金銀の財宝を持ち帰るという昔ばなしがあリます。 桃太郎のお供をしている犬は忠義や正義、猿は知恵、雉は勇気と愛情の象徴といわれています。 三匹のお供を連れて行くのは、三という数の中に完全の思想があり、それぞれの持つ性質を合わせれば強い力を発揮することができ、理想的な組み合わせといえます。


【こいのぼり】

中国の竜門(黄河中流の一番の急流)では下流からのぼってくる魚の中で鯉だけが急流を上りきって龍になるという古事から 鯉は男子の立身出世のシンボルとされました 。龍は、架空の動物ですが、空中を飛行し雨や稲妻を自在に起こす霊力を持つ存在とされ、神や皇帝のシンボルとされました 。江戸時代の中頃から武士の魂、出世魚として男子の誕生を広く世間に知らせ、健やかな成長を願って鯉のぼりを戸外にたてられるようになリました 。五月のさわやかな空気をいっぱいすいこんで伸びやかに泳ぐ姿は日本の代表的な風景です。 鯉のぼりには「吹き流し」をつけます。五色の吹き流しは滝や雲になぞらえてあり、風に泳ぐ鯉の姿をいっそうひきたてています。青、赤、黄、白、黒、の五色は邪気を払い神からの恵みと考えられている霊力があるといわれています。


【ちまき】

古くは、米をオウチの葉(栴檀せんだん=白檀の別名)で包み、五色の糸で縛ったものであったのが現代では笹 葦(あし)菖蒲などで米で作った団子を巻くようになりました。 粽は竜の形に巻いてあるので食べると毒虫にさされないといわれています。

【かしわ餅】

柏の葉に餡入りの餅を包んだもので、江戸時代につくられたとされています。 柏の木は、新しい芽が成長するまで決して親葉はおちないで新芽を守ることから、親が子供を守る心と家系が絶えないという縁起があります 。


【菖蒲】

端午の節句は菖蒲の節句ともいわれます。 菖蒲は香りが強いので虫などがあまりつかないところから邪気を払い、疫病を除くといわれています。菖蒲の葉を屋根にかけたり、菖蒲湯、菖蒲枕、菖蒲髪など現代の生活の中にもつたえられている風習があリます。 鎌倉時代にはショウブという言葉から「尚武」に通じる縁起のため、武士の間では流鏑馬(やぶさめ)など男子中心の勇ましい行事がおこなわれるようになリました。


【鍾馗(しょうき)】

中国の魔除けの神で、武者人形の中でもっとも人気があります。 昔、唐の玄宗皇帝が病にかかって夢うつつであったとき、悪魔が皇帝の玉笛と楊貴妃の紫香を盗んで逃げようとしました。 そのとき一人の男が現れて悪魔を退治したのです。 皇帝が素性をたずねると「私は終南山の鍾馗というものです。 科挙(上級試験)に二度失敗し落胆のあまり死んでしまったとき 皇帝があわれんで丁重に葬ってくださったのでいつか恩返しをしようと思っていました」と答えました 。皇帝は病が回復してから夢にでてきた鍾馗の姿を画家に書かせ、魔除けの神として庶民に広めました。


【虎】

五毒(サソリ、ムカデ、ヤモリ、ガマ、ヘビ)を食うといわれる虎は「千里を行って 千里を帰る」といわれ、一日に千里の距離を走るが 巣穴にいる自分の家族を思って、また千里の道を走ってかえるという愛情の深さのたとえがあります。 日本では安土桃山時代の武将で秀吉に仕え、朝鮮に侵入し、数々の武功をあげた加藤清正の虎退治は庶民の間で話題となり、それを題材とした人形が数多く作られました 。